ドローンできれいに旋回する方法



ドローンを設定して初飛行を終え、なんとかホバリングや水平移動ができるようになると次にどのようにしてターン(旋回)をするのかというのが気になるのではないでしょうか。

私もそうでした。しかしドローンにおける旋回方法の解説は意外と少なく情報がありませんでした。

ここではとりあえずドローンの機体を動かせるようになり機体を前後(ピッチ)左右(ロール)、機首方向の変更(ヨー)の操作ができるようになった人が次にドローンを前進させながら機首を前にきれいに弧を描くように旋回する方法を解説します。

ドローンを前進させるにはピッチ(エレベーター)のスティックを前に倒した状態でスロットルを少し上げます。機体が上昇する時は機体をもう少し前に倒すかスロットルを緩めます。

機体が直進する状態で機体の進行方向を変えるには、まずヨー(ラダー)を使います。ヨー(ラダー)を左右のどちらかに少しずつ倒していくとそちらの方向にドローンの機首が向いていきます。

直進した状態から機首方向を変えるとそれまで直進してきた慣性が働きますので、機首方向には進まずそれまで直進してきた進路の延長線上に機体は横滑りしていきます。しばらく滑っていけば徐々に機首方向に進んでいきますのでこのヨーのコントロールだけでもなんとか飛行させることはできなくはありませんがあまりスムーズとは言えません。

そこでこの横滑りを起こさないように旋回することがまずは目標になります。機体が横滑りを起こさずなめらかに旋回することを釣り合い旋回(Coordinated Turn)と呼びます。旋回中の機体は写真に矢印と番号で表示したような力がかかっています。

釣り合い旋回ではこの図にあるすべての力のバランスが釣り合うように調整します。これはスティック操作では4軸の全てについてバランスが取れるような操作を行うことになります。このバランスは頭で考えるよりも感覚的に身につけるのが早いと思いますので、ひたすら練習することが上達の秘訣となります。

 

howtoturn

①推力により機体を機体上方に持ち上げる力

②ヨー(ラダー)の操作により機首の方向を左(右)に向ける力

③ピッチ角と推力により機体を前進させる力

④重力

⑤遠心力(慣性)

⑥空気抵抗

 

釣り合い旋回を行うにはいろいろと流儀がありますが一番簡単な方法は、先ほどのラダー操作で横滑りが始まったらロール(エルロン)のスティックを旋回方法に倒して、横滑りを抑えながら旋回するというものです。ピッチは一定の速度で前進し続けるよう少し下に向いた状態となります。ヨーとロール、スロットルとピッチを調整しながら、一定の高度で横滑りが発生しないターンが出来るよう何度も練習します。

横滑りをロールで抑えながら旋回する感覚が身についたら次にロールを先に旋回を開始してみたりしながら最初から最後まで横滑りが発生することなくバランスよく旋回するポイントを見つけるようにします。これが釣り合い旋回の状態となります。

旋回の練習を行う際は何か目標があった方が良いので樹木や地上の構造物、何もない場合はコーンなどを置いてそれらを目印として練習をすると良いでしょう。

旋回はどのような飛行に置いても必要となる最も基本的な操縦技術となりますので、何度も練習して感覚を身につけます。きれいな旋回ができるようになるととても気持ち良く飛行ができるようになります。また一度旋回の感覚を身につけてしまうと意識することなくできるようになるかと思います。そのため旋回の操作に関する解説が少なくなるのだろうと思います。

レースドローンなどの場合は経験を積むにつれて速く飛ばすためにピッチの前傾がかなりきつい状態でドローンを飛ばすことが多くなりますので、その場合はヨーよりもロール操作にウェイトを置いた旋回を行うようになります。ヨーとロールどちらをきっかけに旋回を開始するかという程度の違いでいずれにせよ各操作のバランスが必要ということに違いはありません。徐々に感覚を身につけていけば良いかと思います。