精密圧着ペンチによるLipoバッテリーのバランスプラグの修理



Lipoバッテリーのバランスプラグは充電の度の抜き差しによって接触が悪くなったり、飛行のクラッシュの際の衝撃で破損してしまったりすることが結構な頻度で起こります。

バランスプラグの修理ができるとバッテリーに関するトラブル多くの問題を自分で解決出来るようになります。

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ここではエンジニア社の精密圧着ペンチPA09を使用します。圧着ペンチはバランスプラグの他、サーボケーブルやFCなどのピンに差し込むジャンパープラグなど、またリード線同士を直結する際などにハンダを使わずに接続することもでき、いろいろな場面で活用できます。

PA09は海外でも使われており評判の良い製品ですが、これ以外でも同様のサイズに対応したものであれば使用可能です。

バランスプラグは日本圧着端子製造(JST)社のものが標準的に使われており品番は以下のようになりますので、このスペアパーツを用意します。

2セル XHP-3

3セル XHP-4

4セル XHP-5

プラグの中のピンとしてはBXH-001T-P0.6 を使用します。

これらは通販サイト等で購入することができますが、私は秋葉原駅高架下のディープな感じの店で購入しました。金額は通販サイトの方が安いですが秋葉原の店舗だとすぐに手に入り送料がかからないのと部品一点一点購入できるメリットがあります。

バッテリーのケーブルを切断したり加工したりする際にはそれぞれの線が相互に接触したりしてショートが発生しないように気をつけます。充電池のケーブルを切断する際は少し怖い気もしますが一本ずつ処理をしていけば問題ありません。ポイントは導線や端子がむき出しのものが2本以上になる状態を作らないということかと思います。

例えば古いプラグにケーブルが入っているのであれば、そこから一本ずつ外してピンを取り付け新しいプラグに差し込んでいきます。

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古いプラグからピンごと抜く場合はプラグから見える金属部分をドライバで軽く押さえてフックを押し込みながら抜きます。ピンの形状によってはうまく抜けない場合もありその場合はワイヤをカットします。

圧着する箇所はリード線の導線部分とナイロン被覆の部分の2箇所になります。今回の場合まず1.4mmの溝でナイロン被覆部分を圧着し、次に一番細い1.0mmの溝で導線部分を圧着します。

 

 

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このような感じでピンの開いている方を溝の方に差し込んで挟み込みます。ピンの金属は最初少し開き気味になっていますので指かペンチの先で閉じておくと溝の方にきれいに収めやすくなるかと思います。

圧着する際はグギッという感触で締まった感じがわかります。あまり強すぎても弱すぎてもだめで適度な締め具合でワイヤとピンを固定します。

ピンはプラグの開いている方に当たる箇所に抜けなくするためのフックがついていますのでその方向を確認してプラグに差し込みます。カチッと音がして抜けなくなるまで押し込みます。先にも書きましたがピンを抜く場合はプラグの金属部が見えるところから軽くフックを押しこみ引っかかりが無いようにして、引っ張るか押すかすれば抜けます。

圧着ペンチの使用は少しコツがいりますので慣れるまで余分にピンやプラグを買っておいて練習をすると良いかと思います。