ESCへのBL Heliファームウェアのインストール (dys SN20Aを例に)

dys BL20A image


フライトコントローラーからの制御信号を受け取ってブラシレスモーターの回転数を制御するESC (Electric Speed Controller) にもファームウェアがインストールされており逐次アップデートが行われています。従来ESC用のファームウェアとしてはSimon Kが主流でしたが最近は性能に優れるBL Heliファームウェアが人気のようです。


【注意】この記事の内容は古くなっています。現在BLHeliを搭載した大半のESC製品はCleanflightを経由して設定やファームウェアの更新が可能となっていますので本エントリーに記載した手順ではなくCleanflightを経由した設定手順がおすすめです。

Cleanflightを経由した設定方法については以下のエントリーで記載しています。

BLHeliをCleanflight経由で設定


ESCへのファームウェアのインストールや設定の変更等には専用のUSB Linkerと呼ばれる機器もしくはArduino Nanoを使用します。USB LinkerにはTurnigy USB Linker for AquaStar/Super Brain, Afro ESC USB Programming Tool, dys USB Linkerなどがあります。
BL20A-USB_Linker imageここではESCとしてdys BL20A、USB Linkerとしてdys USB Linkerの使用するものとして説明します。dys SN20AとBL20Aはハードウェアは同じものですがSN20AがSimonKがインストールされて出荷されているのに対してBL20AはBLHeliがインストールされた状態で出荷されています。今回はBL20Aなので最初からBLHeliが入っているのですが、最新のバージョンではないためインストールと同じ手順でファームウェアを更新します。

 

 

BLHeliのインストールや設定にはパソコン上で動作するBLheliSuiteというプログラムを使用します。2015年12月の時点ではBLheliSuiteはWindowsのみがサポートされています。またESCに対してUSBからシリアル接続するためのドライバーがパソコンにインストールされている必要があります。これはフライトコントローラーの接続に使用するものと同じですのですでにフライトコントローラーのインストール・設定等のためにインストール済みの方は新たにインストールする必要はありません。

ドライバーのインストールには以下のサイトにアクセスしWindows用のものをDownload VCPをクリックしてダウンロードします。

CP210x USB to UART Bridge VCP Drivers
https://www.silabs.com/products/mcu/Pages/USBtoUARTBridgeVCPDrivers.aspx

ダウンロードしたファイルをクリックして圧縮ファイルを解凍します。CP210xVCPInstaller_x64 を実行します。ドライバを有効にするためにOSを再起動します。

BLHeliSuiteのインストールは下記BLHeliSuiteのサイトから「Download BLHeliSuite (LINK)」をたどりWindows用のzipファイルをダウンロードします。ダウンロードしたzipファイルを解凍します。解凍したフォルダ内の BLHeliSuite.exe を実行します。

BLHeliSuite
https://blhelisuite.wordpress.com/

BLHeliSuite-USBLinkerBLHeliSuiteが起動したらまずメニュー “Select ATMEL/SILABS Interface”
から対応するUSB Linkerを選択します。dys USB Linkerの場合は “ArduinoUSBLinker” を選択します。

User manual for USB LINK (dys USB Linkerマニュアル)
http://www.multirc.com/Shared/Manuals/DYS-USB-Linker-Manual.pdf

次に各ESCに対応したファームウェアを調べます。BLHeliSuiteのページ(https://blhelisuite.wordpress.com/)にある、Supported SiLabs ESC list、Supported Atmel ESC list から使用したいESCを探します。その説明の中に「It uses the “DYS_SN20A_..” code. 」といった記述がありますのでこの部分でファームウェアとしてどのコードを選択するかを確認しておきます。

BL20A-USB-Linker-power image次にESCをパソコンに接続します。ESCの設定の際はESCに電源を供給する必要があります。ESCの電源供給用の赤と黒のラインに3Sのバッテリーを接続します。私の場合は写真のような電源ケーブルを作成しクリップで給電するようにしています。

ESCからフライトコントローラーに接続する制御用のケーブルをUSB Linkerに接続します。この際黒をマイナス、白をシグナル(S)に接続し極性を間違えないようにします。また給電用のケーブルをバッテリーに接続します。この状態でUSB Linkerをパソコンに接続します。

BLHeli-port imageBLHeliSuiteからESCに接続するには画面左下から接続に使用るポート番号を選択します。通常ポート1以外で「Silicon Labs CP210x USB to UART Bridge」が表示されるポートを選択肢から選びます。次にその右にある「Connect」をクリックし接続します。

 

 

 

 

BLHeli-read imageBL20AなどすでにBL Heliが導入されているESCの場合は、先ほどのポート番号の上にある「Read Setup」をクリックし現在のESCの設定内容を表示します。左上にある「BLHeli Revision:」に現在のバージョンが表示されますので確認します。私の場合は14.0がインストールされていることが確認できます。

 

 

 

BLHeli-flash-image下部の「Flash BLHeli」と書かれたボタンをクリックすることでBLHeliのインストールまたは更新を行うことができます。画面にインストール可能なファームウェアとバージョンが表示されますので先に調べておいたファームウェアの種類とインストールしたいバージョンを選択し「OK」をクリックします。ここでは最新のバージョンである14.3を選択しています。インストールするファームウェアの確認画面が表示されますので問題がなければ「Yes 」をクリックするとファームウェアのインストールが開始されます。

BL Heliの更新の場合は現在の設定内容をESCに書き込むかとの確認画面が表示されますので「Yes」を選択します。これによってファームウェアの更新前の設定内容が更新後に引き継がれます。パラメータの変更を行った場合は「Write Setup」をクリックして変更内容をESCに反映します。

設定内容等を確認し問題がなければ画面下部の「Disconnect」をクリックしUSB Linkerをパソコンから外します。以上でESCへのBL Heliファームウェアのインストールは完了です。使用する全てのESCに対して同じ作業を行います。

【関連情報】

DYS BL20A / SN20A Mini Opto ESC – Alternative to KISS ESC
http://blog.oscarliang.net/dys-bl20a-sn20a-mini-opto-esc-alternative-to-k/DYS SN20A & SN16A ESC Opto 2-4S FPV BLHeli – Flashing BLHeli – OneShot125/SimonK
https://www.youtube.com/watch?v=JoDaLjf5sNgHow to flash any ESC with BL Heli
https://www.youtube.com/watch?v=bbRs96HYtNY
Programming BLHeli ESCs via CleanFlight
https://www.youtube.com/watch?v=YWLk4qcQcvwBLHeli ESC Flashing via Naze32 with Beta Flight
https://www.youtube.com/watch?v=yH8mR9GKXxESN20A ESC How to Flash BLHeli ESC Linker/Arduino Nano
https://www.youtube.com/watch?v=PPzfNG9WVk4How to flash BlHeli and use Oneshot
https://www.youtube.com/watch?v=vGZIbO3J7MA