みんなで一緒にFPVを楽しむために

FPV Racing


何人か複数で一緒にFPVドローンを飛ばすのはとても楽しい経験です。お互いの機影をFPVゴーグル越しに見ることができレースや模擬空中戦が楽しめます。

レースイベントやドローン飛行場の利用など複数の人が集まってFPVを行う場合、一人で飛ばす場合と違いいくつか気をつけないといけないことがあります。様々なイベントが開催され他の人と一緒に練習をするような機会も増え、FPVを楽しむ人たちの間でもお互いに気をつけるようにしている事がだいぶ固まってきました。ここではFPVの飛行を複数の人が一緒に行う際に知っておいたほうが良いと思われる事項についてまとめてみました。

1 高出力の送信機を使用しない

複数の人が同時にFPVを行う際に一番問題となるのはFPV用の電波の混信です。出力が大きな送信機は他の人に対して混信が起こりやすくなります。他の人と一緒に飛ばす場合は送信機はなるべく200mW以下のものを使用した方が良いでしょう。止むを得ず200mWより大きな送信機を使用しなければならない場合には他の方にその旨を伝え混信が生じないかなど確認してから使用した方が良いでしょう。最初はどうしても遠くまで飛ばせるように大きな出力のものをと考え600mWの送信機を買ってしまいがちですが、後々他の方と一緒に飛ばすようになると使いにくくなりますので最初から200mWを買っておいた方が無駄がないかと思います。600mWと200mWの到達距離の差は実用上それほど大きくありません。またほとんどのレースでは200mW以下の送信機を使用することがレギュレーションで定められています。

2 使用可能な周波数を確認する

一般的なFPV送信機を使用して日本でFPVを行う場合、5705MHz, 5740Mhz, 5800Mhzの3つの周波数を利用することが多いと思います。一緒に飛ばす人がわかっている場合やイベント等に参加する場合は事前に自分が当日使用可能な周波数を確認しあらかじめ設定しておきます。当日現地では自分が設定している周波数を周囲の方に知らせ問題がないことを確認します。また同じ周波数を使って交代で飛ばす場合は誰が同じ周波数を使用しているかを把握しておきます。

3 他の人が飛行中は電源の投入を避ける

イベント会場やドローン飛行場など多くの人がいる場所ではFPV送信機が接続されたドローンの電源を入れる際は細心の注意が必要です。基本的には飛行エリアでは自分が飛ばす順番以外はドローンの電源を入れる事が出来ないと考えていた方が良いでしょう。なのでFPVカメラやOSDの設定等も事前に済ませておきます。
特に他の人がFPV飛行中に電源を入れることは避けるようにします。違う周波数を設定していたとしてもダメです。電源投入時には通常より大きな電流が流れ、広い周波数の範囲にノイズが出てしまうことがあります。その結果他の人のFPV画像が乱れ、機体のコントロールができず墜落してしまったりします。墜落によって機体が破損したり場合によっては人や物を傷つけることもありますので、そう言った事態は極力避けるようにします。
一般に飛行中の機体は操縦者から離れた位置にあり、新たに電源を入れる機体は操縦者の近くにあることが多いですから近くの機体からのノイズの影響を強く受けることになります。正しい周波数を設定していたつもりが間違えて違う周波数が出てしまうことがないとも限りません。最悪の事態を避ける意味でも他の人が飛行中は電源の投入を避けるようにします。
他の人の飛行中にどうしても電源を入れる必要がある場合は、その時点で飛行をしている人全員の同意を得てから電源を入れるようにします。またその際設定されている周波数に間違いがないことをよく確認し、影響を少なくするため少しでも他の操縦者から離れた場所で電源を入れるようにします。

4 電源を入れる際には大きな声で確認する

自分が飛行する前にまずゴーグル等で自分が使用する予定の周波数を誰も使用していないことを確認します。その上で周波数を使用して良いかを大きな声で確認します。「5705使っていますか?」「5740空いていますか?」などの感じで恥ずかしがらずに大きな声で聞きましょう。
他に周波数を使う人がいないことが確認できたら電源を入れる準備をしますが、すぐに電源を入れてはいけません。飛行中の人がいないかを確認してから(あるは飛行中の人の同意を得て)、「5800電源入れます。」などこれも大きな声で宣言してから電源を入れるようにします。

5 離陸の際声をかける

ドローンが離陸する際ESCから多くのノイズが出ることがあります。これが飛行中の操縦者の近くで行われるとノイズの影響で画面が乱れる原因となりますので、できればなるべく同時か近いタイミングで離陸をした方が良いでしょう。他の人が飛行中の途中で離陸をする際には、コース内に飛行する機体が増えることを知らせる意味でも「離陸します」「飛ばします」と宣言をしてから飛ばした方が良いでしょう。

6 飛行中コースへの立ち入りは原則禁止

飛行中のコース(エリア)に飛行中の機体がある場合には立ち入らないようにします。機体が墜落した場合などすぐに取りに行きたくなりますが他の人の飛行が終わるまで待つか、「機体回収入っていいですか」「コース内に入っていいですか」など他の操縦者に確認をし十分安全であることを確認してから立ち入るようにします。

7 離着陸エリアを厳守する

飛行エリアに離着陸エリアが設定されている場合はこれを厳守します。移動が面倒だったりして自分のいる場所に近い場所で離陸や着陸をしたくなりますが、他の人が不意に近くを歩いたり、機体トラブルで思わぬ方向に飛んでしまったりすることも有りますので離着陸エリアが指定されている場合はこれを守るようにします。

8 操縦している人の前を横切らない

FPVで使用する5.8GHzの電波は光に近い直進性の高い周波数であり人や樹木などに吸収されやすい性質を持っています。そのためFPV送信機と受信機の間に人が入ると受信映像が乱れることがあります。FPVで操縦している人は機体を直接目で見ているわけではありませんが受信映像だけを頼りに操縦していますので機体の間に入って映像に影響を与えないよう気をつけます

 

以上私が何度かイベントや練習会に参加して自分や他の方が実践している様子や教えていただいたようなことをまとめてみました。普段少人数でFPVを楽しんでいる人が初めて知らない人と一緒に飛ばすような時やレース等のイベントに参加しようというような時の参考になれば幸いです。
このほかに重要なことを見落としているかもしれません。気付いたことなどありましたら是非コメント欄等でおしらせいただけると幸いです。